59 meters in depth
人は苦しむために生きてはいけない
人は生きるために苦しむべきなのだ
そう言うお前の口に拳骨をぶち込んでやった
苦しむために生きないと言うなら
其れはお前が生きるための痛み、苦しみとなるのか
耐え難い、痛みだ、お前は其れでも同じことを言えるか
生きるために苦しむべきだと、言うか
苦しむ人間を前にして、お前は其れを言うのか
68 meters in depth
薬指が僕を貫く寸前、しっかりと笑った君を確かに愛している
永遠が在ると言うのなら僕は其の笑顔を土産に闇を追うだろう
73 meters in depth
ふふ、絶望?そんな陳腐な言葉では言い表せないような世界へあなたを連れて行くわ。大丈夫、わたしも一緒よ。ふふ、絶望、ね。あなたの口から其の言葉が出てくるなんて思いもしなかったわ。其の言葉を聞けただけでも良しとしたいところだけど、仕方がないと諦めて頂戴ね。わたしを止められるのは、わたしだけだったけど、今はもうわたしをとめられる唯一の存在であるわたしも消えてしまったの、だから止まることは許されないのよ。身支度なんてしなくていいわ、わたしとあなたが居る、それ以外になにが必要なの?世界は其れだけで動くものなのよ。さぁ、わたしがつれていってあげる、あなたを、ふふ、素敵な世界へ、いっしょ、に、
77 meters in depth
きつくむすばれている かさついたきみのくちびるが ほしい
さあ ぼくがひからびるきみを いやしてあげよう
あくまのゆうわくなんて よくいうね ほんとうのあくまはきみだろう
あ、あああああ、ああああ ほしい あああ、あ、あああああああああ、 きみが ほしい
80 meters in depth
義姉さん、貴方が全てを奪っていったんです
兄さんを、僕の兄さんを、僕だけの兄さんを、僕の、僕、の
僕のだ、僕のものだ、なのに貴方は簡単に其れを、奪って
だから僕は貴方を憎いんでいるんだ、なのに、いや、憎んでいる
そうだ、確かに僕は義姉さんを憎んでいる、
これは全て、貴方を辱めるための行為、そう、憎いからだ、
僕は、貴方が憎いから、嫌がる感情を、押し殺して、こうしているんだ
押し 殺して、いるんだ、憎しみ以外、僕の内側には、存在、しない、のだ、
義姉さん、義姉さん義姉さん義姉さん義姉さん義姉さん義姉さん義姉さん義姉さん義姉さん義姉さん義姉さん義姉さん義姉さん義姉さん義姉さん義姉さん義姉さん義姉さん、義姉さん
こわしてくれ はやく ぼくを こわしてくれ
こわれてしまうまえに ねえさんのてで ぼく を
おねがいだから だきしめたり しないでくれ ああ ねえさんは とんでもない ばかだよ