82 meters in depth
まったく君という人間は
どれだけ私を哂わせれば気が済むのかね
いい加減にしないと殺してしまうよ
殺されるのが嫌なら
早く死にたまえ
さあ、死にたまえよ
私の拳が解かれるまえに、ね
はは、やはり君は哂える
89 meters in depth
じつ に みがって な せいぶつ で ある !
いや すで に それは いきもの など で は ない !
こどう する にく の かたまり に すぎ ない !
さあ しする が いい !
にく の かたまり よ !
みにくい みにくい ひと で あった もの よ !
99 meters in depth
うばった?うばっただって?ひとぎきのわるいことをいわないでくれよ
きみはもともとぼくのものだったんだよ
にげだしたきみをつかまえただけだ
うばったのではない
とりかえしたのだ
やはり にんげんは おろかしい
ごうまんな ばかばかりよ
100 meters in depth
幅の広いシャツを纏いながら笑った君はズタズタになったテーブルクロスを残して雨に溶けましたそして土に喰われたのです僕にはただ君の名を呼ぶ事しか出来ませんでしたがあぁ忘れないよ君は僕の心で生き続けるからねだからさぁ安心してください君はもう僕の手の届かない土の中、遠い遠い胃袋に、
102 meters in depth
誰よりも残酷に虐げる方法を知っているか
其れは限りない優しさを惜しみなく捧げることだ
苦しみや悲しみによって生み出された痛みは計り知れないパワーを秘めているものだ
ふとした瞬間に絶大な力となって人間を守るものに変わってしまう
しかし、後ろめたさから生まれた痛みはだた緩くズキリズキリと定期的リズムで
確実に体を蝕み締め上げていく
良心を利用する方法が何よりも効果的で残酷な虐げなのだ
其れを知っている私は実に愉快で仕方が無い
虐げられている人間は何の認識もしていない
自分が虐げられているのだという事実も降り注ぐのは
其の為に捧げられた偽りの優しさなのだという事も解っていない
実に愉快!愉快だろう!私だけが全てを知っているのだ
残虐な魔物を認識できるのは、世界に一人、私だけなのだ!